サーフヒラメにおススメのリール!というフレーズは良く見かけるようになった
しかし、実際は、他の釣りのリールを流用できるか、できないか、サーフ向きではないリールは何か、これを考える必要がある
軍資金が豊富で、それぞれ専用のリールが購入できるなら問題ないが、私のようなサラリーマンサンデーアングラーには、できるだけ他の釣りにも流用できるリールで済ませたい
多魚種のルアーフィッシングの主要なリールとの関連性と、サーフヒラメ向きでないリールを解説してみたいと思う
サーフヒラメで考えるリールとヒラメの関係
青物は強烈なファイト、エギングは永遠に続けるシャクリやジャークへの対応、繊細なシーバスには細かい波動まで分かるハンドリングの滑らかさ、などリールに求める性能はその釣りそれぞれにある
サーフヒラメ、という大きい括りで言えば、リールの性能はさほどこだわる必要が無い
サーフではタダ巻くだけが基本になる
サーフヒラメでは、ルアーをキャストしてタダ巻きする
リールの主な動作は、それだけであり、サーフヒラメで費やす時間の9割はそれだけだ
ヒラメのファイトはさほど強烈ではない
ヒラメの体型から見ても分かると思うが、ヒラメは体を上下にくねらせながら泳ぐ
勢いが付けばそのままグライダーのようにスーッと海中を滑空するように着底する
ルアーへのアタックは体を縦にして勢いよく食らいつく事もあるが、それからはさほど強烈なものはない
数m勢いよく一定方向へ走るが、すぐに止まる、その繰り返しになり、体を反転させていきなりドラグを引きづり出して長く引っ張る事はない
ドラグ性能も普通であれば問題なく、性能的にもごく普通でいい
サーフで使用する上の問題 砂の侵入
実は、リールの性能で最も気にするべき点は「砂」だ
砂の上に置いてなくても、サーフでは細かい砂がリールへ影響する
一昔前のリールなら、使用の度に水道で洗っていても、1ヶ月もすれば内部に砂が侵入する
これがやっかいで、ギアに砂が入ると、異音と違和感が生じる
内部の洗浄が甘いと、そこから錆まで発生して、リールの機能さえも低下してしまう
ここ数年で、防水機能の搭載されたリールが発売され、その問題はほとんど解消できている
サーフ用のリールは、防水機能が搭載されていない昔のリールは使用を避けた方が無難だ
サーフヒラメ専用としてリールを購入するなら
新たにサーフヒラメ専用としてリールを購入する、サーフヒラメがルアーフィッシングでの初めてのジャンル、そういう方は下記の点を注意してリールを選んでいただきたい
1 小さすぎない大きさ
サーフでは、大げさに言えば「大遠投」が基本であり、より遠くへ投げてルアーのコースを調整して一度のキャストで数か所のポイントを通過させるという方法を取る
ダイワなら2500番以下、シマノなら3000番以下、このサイズのリールは小さすぎる
リールが小さいとスプールも小さくなり、飛距離に影響が出る
小さいリールだとラインの巻き取り量も小さく、波打ち際までもたもたする
一気に巻き取りヒラメに主導権を握らせず、波打ち際でズリ上げる、これが理想になる
逆に大きすぎると、単に重たくなり、長時間フルキャストする上での問題が出てくる
適正な大きさは、ダイワなら3000番、シマノなら4000番を選択すれば問題ない
2 防水機能がある事
数年前までは、ボディ内に水が浸入しないような防水機能は高性能な高級機にしか搭載されていなかった
しかし、最近は1万円台のリールまで防水機能が搭載され、サーフヒラメ用として選択できるリールの幅が広がった
性能は最低限でも問題ないヒラメ相手では、リールに投資するお金は削れる部分だ
ダイワなら「マグシールド」、シマノなら「コアプロテクト」などの防水機能が付いていればOKだ
3 ハイギアである事
絶対にハイギアであるべし、という事でもないが、ノーマルギアとハイギアの選択肢があるなら、迷わずハイギアタイプを買おう
手番の数字の前後に、HやHG(XG)という表記がされている
100m沖で掛かる可能性もあるサーフヒラメでは、一気に巻き上げて波打ち際まで寄せるのが鉄則
ヒラメが走っても少しの距離なので、走る間は止め、止まったら一気に巻き上げる、を繰り返す
少しでも巻き上げる糸の量が大きいハイギアタイプがサーフヒラメでのおすすめになる
もちろん、ルアーの回収が早い、というルアーフィッシング共通の利点もある

シマノにはハイギアよりも更に巻き取り量が大きいエクストラハイギアタイプ(XG)もあるが、金額が高くなるようならハイギアタイプでかまわない。金額が同様なら、エクストラハイギアタイプもおススメだ
他のルアーフィッシングからサーフヒラメ用への流用
前述したリールの大きさと防水機能さえクリアできれば、多魚種のルアーフィッシングからの流用は当然可能だ
後は、メインラインであるPEラインの太ささえ合えば、そのまま流用できる
PEラインの大きさが違えば、巻き替える手間があるので、そこは考えどころだろう
いちいち釣りによって巻き替えるより、サーフヒラメ用で廉価版のリールを買ってしまうのも一つの方法だと思う
私の場合、いちいち魚種によって糸を巻き替えるのがめんどくさいため、釣り別でリールを揃えている
多魚種で使用しているリールの流用
まず、ロッドもリールもそのまま流用を考えているなら、そのままやればいい
ここでは、リールだけの流用で、サーフヒラメタックルに装着して使用できるか、という問題点を挙げている
細かいことは気にしないなら、細かいことをここで確認せず、そのまま流用すればいい
エギングからサーフヒラメへの流用
エギングで使用しているリールをサーフヒラメに流用するのは少し問題がある
1 リールの大きさが少し小さい
エギング用のリールは2000~2500番が主流だと思うが、もう1クラス上の大きさがサーフでは使いやすい
ダイワなら2500番、シマノなら3000番クラスなら、ギリギリ流用できる
2 エギングで巻いているPEラインは細すぎる
0.5号、人によっては0.4号という極細PEラインを使用する釣りだと思うが、はっきり言って細すぎる
サーフでは海中に砂が舞い上がり、思った以上にラインが摩耗する
玉砂利サーフでは、海中に小石同士波打ち際ではぶつかり、細いPEラインだとフッと切れてしまう事がある
エギング用の極細PEラインだと、下手すれば数投でライン切れという懸念がある
では、巻きかえればいい、という事にもなるが、その通りになる
極細PEラインから1号程度のPEラインに交換すれば、上記の問題は発生しない
どうしてもエギング用のリールを流用するならば・・・
- 飛距離が一声、二声伸びない
- ノーマルギアならなおさら、ラインを巻き取る量が少ないため、もたつく
- 今日サーフヒラメ、明日がエギングならラインを巻き替えなければいけない
こう書くと、個人的には絶対に流用を控えたくなる(笑)
サーフヒラメ専用の10フィート超のロングロッドとのバランスが悪い、という話もあるが、長い竿に小さいリールが変だと決めつけているだけで、見た目の問題はどうでもいいと思う
実際に10フィート超えのロッドに2500番と3000番、4000番のリールを付け替えて釣りをしたことがあるが、重量的なバランスも特になく、単にリール自体の重さが重くなるか軽くなるかの違いだった
とにかく、上記3点の問題が発生する事は頭に入れておき、エギング用のリールを流用していただきたい
ショアジギング用のリールの流用
ライトショアジギングなら流用は可能
ショアジギも細かいジャンル分けがされており、ライトショアジギングとショアジギングとに分類されている事が多い
ライトショアジギングはダイワなら3000番、シマノなら4000番クラスのリールを使用しているのであれば問題はないだろう
ショアジギではハイギアを選択していることも多く、この手番でハイギアなら、あとはPEラインの太さだけが問題になる
ライトショアジギでも比較的細い1号~1.5号のPEラインを巻いているなら、そのまま流用できる
本格的なショアジギタックルの流用
本格的なショアジギングで使用している大型リールであれば、流用は辞めた方がいい
とにかく、重たい、という事に尽きるが、サーフでは数時間キャストしっぱなしという問題もあり、疲れが溜まる
もちろん、普段からショアジギで大型リールと重量ロッドで数時間ジャークしっぱなし、というヘビーアングラーなら問題は生じないかもしれない
本格ショアジギロッドの流用は止した方がいいが、腕力体力があれば大型リールの流用は可能と言える
もし流用するのであれば、PEラインは1号前後に巻き替えた方がいい
2号、時には4号5号という極太PEラインでサーフ用のミノーを操るのは、風の影響や波の影響を受けやすい
私も2号のラインを使ったことがあるが、風に煽られるは波に巻かれるは、釣り以前の問題だった
シーバス用リールの流用
ダイワ3000番~4000番、シマノ4000番のリールならばそのまま流用可能だ
ダイワは昔と規格が変わっている
LTと機種につくものは4000番を選ぼう
ハイギアではなく、ノーマルギアを使用している場合も多いかもしれないが、サーフヒラメ専用として買うならばハイギアを勧めているだけであった、特にノーマルギアでも問題ない
シーバスでも、磯ヒラのような特殊なジャンルの場合は、大型リールを使用している事も多く、それはショアジギ用リールと同じような問題が出るだろう
ライトタックルでも、ダイワの2500番、シマノの3000番クラスが多いため、流用できなくはない
PEラインもサーフヒラメで使用する1号前後を巻いている場合も多く、シーバス用のリールはそのまま流用できる事が多いだろう
まとめ
サーフヒラメ専用でリールを買うなら以下の3点に注目しよう
- ダイワの4000番(LT機種以外は3000番)、シマノの4000番
- ハイギアタイプ
- 防水機能搭載
他の釣りからの流用は、リールの大きさが同じクラスなら可能であるが、メインラインの太さによっては巻き替える必要が出てくるため、そこは考えどころだろう