サーフで一番目に付きやすいポイントが離岸流
しかし、離岸流がはっきり出ていても、意外と釣れないという魔のポイントでもある
流れがはっきりすればするほど、実は攻め方が難しい離岸流
ここでは、簡単に離岸流を攻略する一つのメソッドとして、流れに逆らって攻めるという方法を紹介してみたいと思う
意外と難しい 苦手だった離岸流攻略
波も入り、地形も良い場所では、はっきりとした離岸流や流れが発生する
遠浅サーフで最も心が躍る瞬間でもある
いかにも怪しい、すぐに釣れそうな雰囲気がムンムンしてテンションも上がる
が、好条件のハズが、意外と釣果に結びつかない・・・初心者の頃に陥ってジレンマでもあった
やがて、離岸流が苦手になり、あまり良いポイントに見えなくなってしまった時期がある
しかし、とある攻略法で、今までの悩みが嘘のように離岸流からヒラメが釣れるようになった
離岸流に対して攻め手を多くし過ぎていた
はっきりとした流れに対して、横から、縦からルアーを通す
中層から下層までルアーチェンジを繰り返し、攻めていく
これを繰り返して離岸流を「理想的」に攻めていたつもりだったが、結局無駄な時間が多く、ヒラメの釣果に結びつかなかった
良すぎるポイントに理想的すぎるメソッドを持ちすぎていたのだ
頭でっかちの知識だけの攻め方しか出来ず、離岸流にはヒラメが居ないとまで思ってたくらい苦手になっていた
ヘビーシンキングペンシルの登場でガラリと変わる
シンキングミノーとMD系ミノーだけのレンジを変えながらの攻めと、スプーンで底を転がす事で攻めていた離岸流
ヘビーシンキングペンシルの使い方が分かってから、攻め方がガラリと変わった
何となくではあったが、離岸流の出口の遠くのポイントに遠投して何度かリトリーブしてみた
すると、シンキングペンシルは離岸流の流芯を左右どちらかに避けて、流れの緩い部分に勝手に移動してく事が分かった
そして、離岸流の緩む場所こそが、ヒラメの定着する場所だと分かった
あれほど、あっちからこっちから攻めても出なかったヒラメが、ポンポンと立て続けに釣れた
河川の瀬の着き方と同じヒラメの離岸流の定着位置
良く考えれば分かる問題だった
離岸流は、川でいう瀬
私自身、田舎の山間部で育ったため、海よりも川で釣りをしていた
瀬の中を泳ぎ、実際に鯉や鮒、鮎などの着き場も自分の目で確かめた
流れに強い鮎などは、瀬の流芯におり、流れに弱い鯉や鮒は流芯から離れた脇に潜む
流れのない場所は生命感も無く、瀬のある場所の特定のところに特定の川魚が着いていた
ヒラメは流れに強い魚ではない
ベイトも流れに強くない
その川魚とヒラメとベイトの位置がシンクロしてから、離岸流への考えが変わった
当時はまだヒラメ攻略のメソッドが教科書上だけの雑誌が多く、離岸流をまともに攻める事しか書いていなかった
それを鵜呑みにしていた攻め方では釣れなかったのだ
離岸流に着くヒラメの2つの目的
離岸流にヒラメが着くのは2つの要因だと考えて攻めている
1 流されるベイトを待つ捕食のための離岸流
離岸流の流れに負けた小魚(ベイト)は離岸流のどこかに流されてくる
離岸流の流れが緩くなる部分でヒラメは待ち伏せている
離岸流を流す場合、ルアーがこの動きをするかどうかがヒラメのヒットに直接繋がる
実際、離岸流の「脇」に定着しているヒラメは活性が高く、岸近くでもヒット率が高まる
2 沖へ出るため利用する水流としての離岸流
遠浅サーフでは、潮位が下がると、ヒラメも岸から離れる傾向が強い
下げ潮の時は、離岸流も強くなり、波が入っていればなおさら強くなる
沖へ向かうヒラメは、この離岸流に乗って沖へ出ていると考えている
勝手なイメージだが、波が入り強い離岸流が発生すると、沖へ出たいヒラメは体を浮かしてグライダーのように流れに乗る
省エネかつ目的地への最短距離、想像するだけでヒラメらしい感じがしないだろうか(笑)
この場合の狙い目として、離岸流が沖で緩む場所(離岸流の出口付近)と捉えている
捕食する気が無いヒラメでも、鼻先にルアーを泳がしたら、思わず食ってくるだろう的な考え方だ
離岸流の2つのポイントを攻められるのがヘビーシンキングペンシル
リップのあるタイプのルアーだと、離岸流の抵抗をまともに受けてしまい、引き抵抗が強くて釣り辛い
個人的には引き抵抗が強いのは好きではないため、離岸流ではリップレスタイプを使っている
高知西部域の遠浅サーフは水深が1m程度の浅い場所が多く、離岸流が発生する場所もその程度の水深が多い
はっきりした離岸流が出ていても、数十分で消えるという事は多々あり、良い条件ではあるが、短時間で効率よく攻める場所でもある
離岸流の脇にしろ、出口にしろ、どちらも効率よく攻められるのがヘビーシンキングペンシルというルアーである
リップレスな形状で、流れに対して素直な動きをする、そして飛距離が出る
流れを切るような強い動きをするリップのあるルアーでは流れにただ逆らうだけの攻略しかできない
ヘビーシンキングペンシルなら、流れに逆らいながらも流れを利用した攻め方が初心者にも簡単にできる
流れに対して真っ直ぐ立ち、真っ直ぐ投げるだけでOK
ルアーを流れに対して横切らせる「ドリフト」と呼ばれる攻め方
これは時間的に無駄な攻め方になる
川のような大きな瀬がずっと存在しているならともかく、流れが出たり止まったり不規則になる遠浅サーフの離岸流は、短時間で攻めきるにはドリフト釣法は初心者向きではない

流れに逆らわせながら流れに巻かれる動きをイメージする
離岸流の流れがどちら向きになるかは現場で確かめる必要があるが、その流れに対して真っ直ぐに立つ
そして、離岸流が終わる沖目の出口付近へ場所に向けて、ヘビーシンキングペンシルをフルキャストする
リトリーブはゆっくり、流れがあるため、ゆっくり動かしても引き抵抗はあるハズだ
流れに乗せながらゆっくりリトリーブする、という感覚だが、流芯から徐々にルアーは外れていく
流れがどこで緩くなるかは、毎回違ってくるが、この方法だと、ルアー自身がルアーの通っているコースで流れが緩む部分に自動的に入ってくれる
この勝手に流芯から外れる程度のリトリーブスピードを保つのがコツだ
流れが強い場合は、わざとルアーを止めて、ロッドを立て気味にしてラインを緩めてもいい
ルアーを止めておくと分かると思うが、流れからルアーは勝手に外れていくハズだ
これが離岸流攻略のミソとなる流し方
流れに逆らったコースを取るが、決して流れに逆らうスピードで巻かないのだ
2、3歩移動しながら、この方法で離岸流を流せば、左右どちらかの流れの緩みに自然に入り、同時に離岸流の出口付近も叩ける
遠浅サーフの離岸流は常に一定方向へ流れないが、2、3歩移動しながら、右往左往して離岸流の出口に向けて投げ続けるだけでいい
この攻め方はヘビーシンキングペンシルならではのメソッドの一つだと思うので、実際現場で慣れて欲しい
まとめ
実は、個人的には未だに離岸流は苦手なポイントだ
苦手ながらも、得意のルアーで納得のいく攻め方をして、釣れるヒラメは釣ってやろうという考えで攻めている
同じく離岸流が苦手な人もいるかもしれないが、このヘビーシンキングペンシルでの離岸流攻めを覚えると、離岸流だけでなく、ちょっとした流れの攻略にも繋がるため、離岸流を見つけたらぜひ実行して頂きたいメソッドだ